佐藤
主人公。へたれ。女に飢えている。佐藤という姓を恨んでいる。婿養子希望。
鈴木
佐藤の親友。そこそこ頭が回る。彼女がいるがよく佐藤達と合コンに参加したりするだめ人間。主に佐藤をだめな方向に向かわせる張本人で、サド。
伊藤
日本で六番目。女。佐藤が合コンを行うときのパートナーのような存在で、女性陣の編成を担当。軽いノリ。明るい性格。少し頭が残念。今回は出ない。
斉藤
日本で十番目に多い名字。佐藤と一文字違いでのこの日本での扱いの差? に苦悩している。隙あらばランキング上位を狙おうと、男の子をほしがっていて、よく女の子に「俺と男の子を作ろう」と言っては逮捕通報されている。さすが佐藤と一文字違い、同レベルである。今回は出ない。
・合コン
女性陣全員が席を立った。
「なあ鈴木、これがいわゆる作戦タイム①というやつかな?」
「ああ、おそらくそうだ。この後時間差で彼女たちが帰らなければ第一関門、ルックスの最低ラインを俺たちは突破したことになる」
男性陣の中の二人、佐藤と鈴木は小さな声で話す。
この作戦タイム①は女性陣でもっぱら行われている。一部では作戦タイムがあること自体が、もう男性陣に希望がないという解釈があるが、二人はその可能性を無視した。
そして、男性間でもこの時間を有効に使おうと考えた。
関係ない話ではあるが、この佐藤という男は日本で一番多い名字を持つ男だ。
実はつい先月まで4年つきあった彼女がいた。収入も安定していたのでプロポーズを申し込んだところ、「私、日本で一番ありきたりな名前になりたくないの」と断られた。
佐藤は泣いた。そして生まれて初めて佐藤という名字を恨んだ。これまで、佐藤という名字を受けて、マイナスになったことはなかった。クラスに何人も佐藤がいれば、みんな名前で呼び合うようになる。
だが、どうだ? 振られてから鈴木は佐藤を名字で呼ぶようになった。
彼女に振られてから佐藤の人生は狂い始めた。すべて佐藤のせいだ。
とりあえず、玉の輿お婿になるために佐藤は今日合コンに来ている。
「戻ってきたらどんなことを聞くか、覚えているか佐藤?」
「ああ、まずは好きな将棋の駒を聞くんだよな?」
「ちげぇよ!」
自信満々に言った佐藤は残念な顔をした。
「ってかそんなこと聞いてどうすんだよ?」
「いや、なんか好きな攻め方とかわかりそうじゃねぇか。ちなみに俺は香車だ。 年上にしか興味がない」
佐藤が何を言っているのか、鈴木にはよく理解できなかった。大方後ろには行けないと言いたいのだろう。
「そうか。だけどな佐藤、成れば一つ下が守備範囲に入るぞ」
「俺は敵陣地最深部でも香車だ」
佐藤は馬鹿だった。その香車はもう使い物にならない。
「まあとりあえず違うからな。まずは趣味を聞け」
「将棋に決まってるだろ!」
「決まってねぇよ将棋から離れろよ」
鈴木はキレた。佐藤が残念なのは知っていたがしつこいのは嫌いだった。
「話を戻すぞ。 次にどんなことを聞く?」
「次こそ将棋の……」
「違うから、そこから離れないと殴るよ?」
「ご……ごごごめんなさい」
目がマジだった。佐藤は基本へたれなので震えた。そんな佐藤の扱い方を鈴木は熟知していた。
「わかったぞ」
「なんだ?」
「マヨネーズ持っていますかだろ?」
鈴木は佐藤を殴った。
「すいません、痛いですごめんなさいもうしません」
「……ああ、もうするな。だが一応理由を聞いておいてやる」
「いやさ、マヨラーだったら困るじゃない? ってか変な食べ方の女の人と結婚したら食生活困るじゃん?」
マヨラーなんて死語じゃね?と鈴木は言えなかった。言えば自分も一緒にだめになる気がした。
「……例えばどんなだよ?」
「あー……寿司食いに行って光り物にマヨネーズくらいはまだ許せるよね。ケンタッキーの皮をとって中のお肉だけ食べたりとか、ハンバーガーのハンバーグ抜きなんてのは最近よく聞くけど。外食行くたびにマイタバスコで料理カスタマイズするのとかやばいよね。頼んだ寿司が真っ赤に染まったらあなたはそれを寿司だと思いますか? あと、この話を一回他の女の子にしたんだけど、その子は私は普通だよとか言って、パスタに何もかけないで食ってたな。いやぁ、一瞬何もかけないのが普通かとおもっちゃたよマジで。よくよく考えたら麺だけってそれ小麦粉と卵でいくね?って話になっちゃうよね。あ、水もか。あとヨーグルトにポン酢かけてた娘もいた。結構合うんだよって騙されて食ったけど、酸味IN酸味はやばい。塩素ガスがでても不思議じゃないレベルだ。あと……」
「もういい、ごめん……俺が悪かった。……食事の席だ、許してくれ」
鈴木は佐藤に謝った。その日の合コンの作戦タイム①はこうして不毛なものになった。
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すいません、おもいつきです。